なぜか台北 その16

【あらすじ】
台湾旅行。
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夕食時間の集合時間も間近に迫ったため、ホテルに戻る事にする。
が、少し寄り道をしようと思う。
ホテルの近くにはかなり広い広場があり、妙な形の池がある。
それを部屋から見ていたため、そこを歩きたくなっていたのだ。
そちらに向かっていくと、沿っていた道路付近に大型の車が止まっているのに気づいた。
これは僕でも何となく分かる。
献血カーである。
雰囲気といい「X血、一袋」と明記された車体からも間違いないだろう。
ただ気になるのが、今の「X血、一袋」の「X」の部分の感じが日本での「損」という字に似ているところだ。
日本人としてはいじりやすい、いじりやすすぎる何かがありそうではあるが、まあいいか。
ホテルに到着すると、少しだけ集合まで時間のあることが判明。
また落ち着かないシャワーを浴びる。
湿度は高くないとはいえ、気温はやはり暑い。
歩き回るだけで蝶がミネラルを摂取しに大量に集まってくる。
そのくらいの汗をかいてしまうのだった、夕方の台北は。
夕食を取る場所は、バスで十数分のところにあるらしい。
めんどうくさい一方、また別の台北市街をバスから眺める事ができる利点もある。
半分眠りながらもバス車窓から外を眺める。
この辺はがりがり新しい建物がたつ場所と昔ながらの雑然とした場所が交互に目に入ってくる。
区画整理なども大変なのだろうか。
バスの乗員、黄さんが言っていた通り、バイク関連の店が多い。
ヘルメットばかり並べている店もある。
そしてバスは、最初どちらの方向に向かっていたのかわからなくなるほどに方向転換を続け、混沌としている。
妙にいかがわしい雰囲気にさせるライト挙動が気になる街道の一角にてバスが止まった時、その混沌は極値に達した。