なぜか台北 その37

【あらすじ】
台湾旅行。
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天井からキノコバエの幼虫ぶらさがっていそうなトンネル。
トンネルとは言っても全長10mではあるが、そんなところを抜けて歩く。
午前11時くらいだろうか。
台湾の11時はすこぶる暑く、台湾製のオーブントースター温度設定は初期表示11時となっているだろう。
民家の密集したところをひたすら歩く。
本来は、次の駅へ向かっているはずなのだが線路は高架の上を走っていてその高架はもう見失い、目立つ建物もなく、ただ帰りの道だけは菓子パンをちぎって落としてきているから見失わない。
ごめん童話混じった。
ともかく目的もそうなく、何か産み出されるとは到底思えない歩きである。
文字通り右往左往しながら歩いていると、下水が横を流れる大きな道に出る。
その先を眺めると見失って久しい高架が見える。
どうにか「次の駅へ向かう」「その途中で田んぼでもないか」といういくつかの希望を思い出し、そちらへ向かう。
それにしても、このときも歩いているところには、4人用テーブルに7人座っていて、さらにそこに昼ご飯を持って座る。
そのくらいのスペースの歩道しかない。
そして歩道と下水に隔たりはなく、下水の壁面には恐ろしく蛍光色を放つ謎のたまご様の付着物。
通りは車がすごいスピードで走っており、一体今日の台湾はどれほどの家族に危篤者が出たのかと心配になるほど。
気の休まる事がない。
先ほど買ったファンタもどきは既にぬるま湯を越えようとしており、突き当たりの大通りはそれまでの申し訳程度の日陰をとっぱらった様相。
高架の影はうまいこと並走する川に落ちている。
台湾から2時間程度離れたところを一駅分歩くことを、少し侮っていた。
しかし川は少し楽しい。
高架と川を沿って、まだ歩く。

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