幻想動物生態・リュウグウノツカイ

完全憶測で、いるんだかいないんだかよくわからん生物を紹介する。
◆リュウグウノツカイ
和名:
リュウグウノツカイ
生息地:

リュウグウノツカイは多くの歴史小説、文献などで知られるように、海洋上に現れる怪物の、少なくとも正体のひとつである。
その奇妙な体型、赤い触覚みたいなものもさることながら、数メートルにもなる体長は「巨大ウミヘビ」として目撃された事を伺わせる。
また、ニシンを率いて現れるという伝説から「ニシンの王」と呼ばれる。
ともかく、その特異さが目立つ魚類である。
さて近年、このリュウグウノツカイが浅い海域に頻繁に出現していることが、ニュースで取り上げられている。
このことを地殻変動による地震の前触れであるとか、もっと大まかに災害の前兆ではないかと心配する声も多い。
しかし、リュウグウノツカイ研究家達の間では、また別の議論が行われている。
それは「上がってきたリュウグウノツカイは弱っている」という点についての議論である。
事実、浅瀬に上がってきたために捕獲されたリュウグウノツカイは弱っている。
また、既に息絶え、死骸となって海上を漂うことも多いという。
この点について、一般的な理由は「むしろ弱ってしまったから浅瀬に流されてしまったのではないか」というものだ。
一方、研究家の大多数が挙げる問題点は驚くべきものだ。
「弱っていたら使いとしての役割を果たせないではないか」
すなわち、竜宮の使いであるならば該当者を竜宮へ案内しなければならないのに、弱っていてはそれができない、という問題である。
私たち日本人には、浦島太郎の話が血に溶けて流れている。
使いとはいえ、それは竜宮へ連れていくばかりではない。
何かを伝えようとするための使いなのではないだろうか。
研究家達はこのことを考慮しても、弱っているのは重大な問題であると指摘する。
「リュウグウノツカイが、竜宮へ連れていくための使いであるなら、そんな弱っているやつをよこす竜宮に対して、我々は挑発されていると言っても過言ではない」
「一方、竜宮から何かの情報を伝えるための使いであるなら、それはマラトンから走ってきた兵士と同様。竜宮で何か事件的なことが起こったと考えられる」
彼らはこう締めくくる。
「どちらにせよ、我々はリュウグウノツカイを竜宮の使いとは認めたくないものである」

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