古武術介護2

昨日からの続き。
【あらすじ】
ユーキャンの生涯学習講座を見ていたら、「古武術介護」というものがあった。
「介護」というのは思いのほか範囲が広い、と思った。
他にどんな「介護」があるのだろうか。
「介護」に僕たちは、何をしてあげられるのだろうか。
(便宜上、介護される人を一律お年寄りとさせていただいている点に注意)
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・制動介護
「制動」とは物が急に止まることの意味だが、ここでは「動きを制する」。
「制動介護」は「お年寄りが能動的に取ろうとした行動を利用して、介護の労力を抑える」ことを目的としている。
見かけは「動きを制御する」などと威圧的。
しかしその内容はそうでもない。
例えば、なんとなく暇になったお年寄りが「暇だからそれ、たたんどくよ」と言ってくれたとき。
「じゃあお願い」と頼めば、これは「制動介護」の一例である。
さんぽが嫌いなお年寄りに「あっちに孫が来てるよ」と言えば、そちらに行こうとする。
その動きにあわせてさんぽをしてしまえば、これも「制動介護」なのである。
このような方法は名前がついていなかっただけで、結構行われているのではないだろうか。
ただし、一方で「お年寄り側が画策、介護者を操作しようとする」、別のタイプの「制動介護」もありそうで、お年寄りもやるもんだね。
・なわとび介護
「なわとび介護」には、先日の「古武術介護」のくだりの疑問は生じない。
疑問というのは「介護者」と「お年寄り」のどちらがそれをやるの?というもの。
「なわとび介護」は、「介護者」が「ビニール製のなわを利用して、お年寄り介護者両方の負担が少ないような移動を行う」ことだろう。
というのも、「お年寄り」がなわとびをしようとする。
その手伝いをするのが「なわとび介護」だとすると、「なわとびをしようとするお年寄りに介護はいらなそう」という前提がその仮定を邪魔するのである。
「古武術介護」を初めて聞いたとき、「お年寄りが古武術をたしなもうとする、その補助を行うこと」を想像しなかったように、「なわとび介護」では「お年寄り」を抱えて飛び上がろうとする介護を想像してはいけない。
さて、「なわとび介護」の内容については先ほど触れた。
しかしこういう使い方も考えられる。
「介護者をなわとびで亀甲縛りにし、それをお年寄りに見てもらう」
あの、人間としての尊厳を打ち砕く亀甲縛り。
それを見たお年寄りは、長年忘れかけていた自尊心や向上心を思い出すのである。
したがって、「縛られると映える肌を持つ介護者」は、先天的に介護者に向いていると言えるかもしれない。
「亀甲縛りが好評でよくやっていたら、もう体中にそのミゾができてしまいました」
これは肌のハリという点で、いわゆる老化。
介護するものとされるものというのは、実は何も変わらないのである。

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