毒薬の味

「毒を盛る」こともあるかと思う。
そのとき、その薬効もさることながら重要なのが味だ。
味で気づかれてしまったら、吐き出されてしまうかもしれないから。
「なんか腐ってる」で勘違いで済んだならいいのだが、「お前これ、いつもより毒多いぞ」なんてことになると、その願い叶わないばかりか、盛ってることがばれているのである。
(ただ、ある意味度量の広い被害者であるとも言えそうで、心温まるエピソードである)
こういうことを考えたとき、例えばある薬品。
もちろん料理なんかでは使用しない、毒に属するような薬品の詳細に「ごまの風味がする」と記載されていたら面白い。
その情報、どうしろというのか。
あとおしだろうか。
「かおり」なら、まだなんとなくわかる。
その薬品の存在に気づくためには、かおりは重要だろうからだ。
ある毒薬で「磯のかおりがする」。
磯のかおりが確認できたら、対応をとることができるわけだ。
ある毒薬で「醤油をかけるとウニの味がします」。
ウニの味が確認できたら、後日プリンに醤油のかかったものの前で息を引き取った何者かが発見されるわけだ。
しかしそれも、微量で死に至るような薬品の場合は「かおりを嗅ぐ」のも危険。
いわゆる「マスタードガス」というのは、遅効性らしいことも手伝って、思ったよりもなかなかにブラックなネーミングである。
なんとなく思ったのだが、かおりに毒をしのばせて、相手を蝕むことはできるのだろうか。
「毒を盛る」なんてのはばれる。
これからは「毒の含まれた香水」で毒をあたえるぜあたえるわ。
これはやめた方がいい。
自分が一番危ない。
遠くにいる相手に香り袋として送ったらどうか。
次回。

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