さてと。

ちょっとだけ「さてと」という言葉が面白くなってきた。
「さてと。掃除でもするか」
このさてと。
次に持ってくる文章によって、味わいが出てくる。
「さてと。ちゃんと縛るか」
今までちゃんと縛っていなかったのである。
そのため、何かが逃げてしまったかもしれない。
くずれてしまったかもしれない。
けど、「さてと」というくらいだから、それまで違うことをしていた。
それほど「縛る」ことは急を要さなかったのである。
逆に言うと、彼は勝利を確信しているのである。
その、縛っていたものがどうあがこうとも、自分の勝ちはゆるがないことを知っているのだ。
悪いやつだ。
「さてと。煮込むか」
これで気になるのが、「さてと、という前までやっていたことが、どうも煮込むことと競合する」というところだ。
一般的に煮込むのは、ある程度注意していれば、あとはほったらかしでいいはずである。
したがって、「さてと」の前から煮込んでいれば、「さてと」のころにはそこそこ煮込みが完了するはずだ。
例えば食材に対して何か下ごしらえが必要で、それが完了したときに「さてと」と口にしたのならば、気になることは解消する。
下ごしらえが完了したから、煮込むのだ。
もしこの「さてと」までの下ごしらえがない場合を考えると、場合によっては「捕まえて、煮込み」となり、少々味、見てくれが心配。
「さてと。ブーメランが戻ってくるまで、待つか」
すごく短気な人なのだろう。
投げた途端に戻ってきてもらわないと、落ち着かない。
だからあえて「待つ」と心落ち着かせようとしているのだ。
また、すごく素早い人という可能性もある。
ブーメランを投げた後、それが戻ってくる前までにあらかた仕事を終えてしまったのだ。
あとは、ブーメランというあだ名の人の帰りを待つというシチュエーションもある。
あだ名がブーメラン。
ハードボイルドである。
「さてと。そよ風のように」
この人、多分蒸発する。

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