口臭について

迷惑になることを考えないわけではないが、美容室で僕はよくしゃべっている。
どうかと思うような量と質である。
前は「息のくささについて」であった。
息のくさい人いますよね。
そう言っている僕がくさかったら、かっこ悪いですけどね。
何かいい判定ツールでもあれば、売れるような気がしますね。
そんな月並みな内容だった。
そこで気になったのは、判定方法だ。
一般的に、自分の息のにおいを客観的に判断するのは難しい。
誰しもなんらかの方法でそれを試みてきただろうし、それに触れたメディアも多いのが、その証だ。
「部屋に入ったとき、手にしていたバラが急にしおれだしたら、くさい」
視覚的にも申し分ない。
「ぜんぜん使っていなかったはずのファブリーズが、空になっていた」
視覚的にも、定量的にも申し分ないが、ファブリーズがくささのために蒸発してしまったのか、誰かがあまりのくささにファブリーズを無断で頻繁に使っていたのかが、気になる。
「二人で部屋に入ったが、出てきたのは一人であった」
わかりやすく、しかもハードボイルドである。
ただ、出てこなかった一人が「気軽に口のくささを言いあえる人物」でなかったらしいことは残念である。
美容師の人はやれやれ雰囲気だったが、それが、この話がつまらんかったのか、僕の息がくさかったからなのか、それはわからなかった。

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