丘の上、微風あり

僕はあんがい譲歩ゆとりが大きいのである。
それはどういうことかというと、例えば。
僕が「からあげクン」を買いに行こうかというとき。
チーズ味を入手しようと思っていても、他の人がノーマルを所望したら、そこはノーマルにする。
そして僕2、相手3で食べたりする。
へたすると食べない。
そのくらい譲歩できるのだ。
気分しだいだけど。
先日、ある場面にてこんなことが話題に上がった。
「だいこんの着ぐるみ」
ひどくなじみのない話題ではあるが、とにかく話題になった。
そのとき、僕は何の躊躇もなく、こうつぶやいてしまったのだ。
「それほぼマンドラゴラやん」
これもひどくなじみのない言葉である。
モノとしては、ファンタジーやゲームに登場する植物で、人型をしたものなのである。
今ではこの発言も、だいぶどうかと思う。
しかし、このとき少々テンションが上がっており、そんなときは自分だけ面白ければいいので口にしてしまった「マンドラゴラ」。
唯一そのことが聞こえたらしい人物がじろりと僕を、「またこいつめんどくさいことを」という目つきでにらんだ。
僕、譲歩しました。
「それほぼ朝鮮人参やん」
今回、僕は反省を持って書いているわけですが、結局は「だいこんの着ぐるみ」をどうこうと転がす必要がなかったのです。
無理に扱わなくてよかった。
譲歩の対象でもなかった。
「だいこんの着ぐるみですか」
「だいこんの着ぐるみですね」
これでよかった。
それを、朝鮮人参云々。
快晴。
身がしまる思いのする外の空気と、透き通った青空。白い息。
それを、朝鮮人参云々。
マンドラゴラを引っこ抜きたい気分である。

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