のろけ

え、うん。
そりゃあ、面白いこと言いたいって気持ちはあるよ。
うん、うん。
それできみが笑ってくれるんなら、なおさらだってば、うん。
うん。好きだよ。
本当に、本当。
うん、うん。
うん?、うん。
え、好きなら、今、え?。
電話でいいから?。
今、面白いこと言ってみせて、って?。
え、ちょっと。
今はまずいでしょ。
知ってるでしょ、現状。
電話してるのも、あれなのに。
え、うん。うん。
いや、そうだけど。
うん。あー、うん。
いや、ね。
うん。わかったよ、いくよ。
「はい赤の鶴瓶が早」
あ、すいません。
ちょっと、もう少しなんで、はいすいません、ほんと。
・・・ちょっとまずいよ。
できなさそうだよ。
今だって、電話のことをとがめられたのか、ネタが面白くないことをとがめられたのかが気になって仕方がないよ。
うん。うん。
え、じゃあ、私の?。
私の好きなあれをやってくれたら?。
知らないよ、君の好きなやつなんて。
そんなに披露してないよね。
え、そうだったっけ。
いや、うん。忘れてなんかないよ、本当。
うん、うん。
わかったって。うん。
「どっちにいこうかマンゴスチー」
あ、本当にすいません。
ごめんなさい。
ちょっと私用が過ぎてまして。はい。
すいません。
え、マンゴスチンですか?。
いや、僕はちょっとわからないですね、マンゴスチンについては。
あ、はい。
もうやめますんで、はい。
いや、すいません、本当に。
・・・もう切るよ。
・・・いくよ。
「わー本当に川上からクリスマスキャロルが流れてき」
電話が切られた。

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