づくす。

「何々づくし」というのがなんだか面白いような気がした。
「豪華有頭えびづくし」
「カニづくし」
意外に例が思い浮かばず、何故か甲殻類「づくし」になってしまって恐縮だが、まあそういったときに使う「づくし」のことだ。
意味は「ばかり」「だけ」というものだろう。
ただ一般的には、たいがいがポジティブなときに使われるだろう。
「金塊づくし」とか「しあわせづくし」とかはあるが「今月仏滅づくし」や「画鋲づくし」などは、普通ない。
となると気になるのが「づくし」を使っていいかどうかの境目だ。
ここにさっき感じた「づくし」の面白さがあるに違いない。
「木目づくし」
うわあ。
いいか悪いか、全然わかんない。
彫るには都合が悪そうだ。
美術の時間、木目に苦労した人は多いだろう。
しかし味があるという向き、もあるかもしれない。
ただ木目って、それこそ目みたいで。
天井の木目が気になって眠れない幼少期を過ごした人も多いだろう。
まあ、5行に渡ってその善悪が語れるくらい、いいか悪いか、全然わかんない。
「はさみづくし」
怖い。
どんなおもてなしをされるか、わかったもんではない。
供養。
供養か何かなのだろうか。
「きみまろづくし」
正直ほんとにそう名づけられた何かがあるような気がするが、調べない。
ただ、実際づくされたCDはあるくさいし、づくされた人たちも多い。
「梵語づくし」
これも困る。
誰かに「自慢じゃないんですけどこれ、梵語づくしなんですよ」と言われたとき。
喜んでいいのかいけないのか。わからない。
ただ、とりあえず読めないであろう。
「積み木づくし」
まあ、礼儀ですな。
「千羽鶴づくし」
これはいい具合。
もちろんここでいい具合とは「いいか悪いかを判断しかねる」ことだ。
何がそうかって、この言葉が生まれるだろう物語の登場人物に、悪い人は一人もいないことがそうだ。
ということで、みなさんも自分の何かを誰かにづくしてみてはどうだろうか。
そうすると相手が言う。
「すぐそうやって色気づくし」
こういう終わり方って、新しい自分になれた気がするよね。
追記
別所実の本が「○○づくし」だった。
やっぱ「づくし」だよな、昨今。

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