フォーム

「2階からしか家に入れないようにしてください」
ここはリフォーム番組に取り上げられるような家を提供するリフォーム会社「わらぶき」。
その仕事のほとんどは、家のリフォームではなく、今みたいな素人の相談に費やされることになるんだ。
「奥さん。近頃は2階からしか入れないような家なんて結構ありますよ。雪が多い地方のこともありますし」
相談者にしてみれば突飛だと思われる発想も、プロから見たらそんなに不思議じゃないことが多い。
2階からしか入れないくらいじゃ、リフォーム番組は取り上げてくれないのだ。
どうにかして説得するんだ。
ああそう。
相談と言えば、こういった方面のものもある。
「うち、居間の真ん中に階段があるんですけど、これってリフォーム番組に取り上げてもらえるでしょうか」
その番組に問い合わせてくれよと言いたくなる相談じゃないか。
でも、この手の相談は多い。
そんなこと聞かれても「うーんどうですかね」と曖昧に答えるしかないね。
でも確か、曖昧に答えなかった相談もあったな。
「うち、換気口からしか出入りできないんですが」
すぐに答えたね。
「そこはとりあえず建築業者に問い合わせてみましょうよ」って。
続いて外気、スーパーラット、イーサン・ハントとかの単語を連呼したね。
「あなたは外気、スーパーラット、イーサン・ハント、外気、スーパーラット、外気、外気、イーサン・ハントのどれかなんですか!?」
少し多めに言ってやったさ。
とにかく、リフォーム番組に取り上げてもらうにはそう、住みにくさに故意が入っていたらだめだね。
そこがわかって初めて、「リフォーム番組に取り上げてもらえるような家を考える」意味が出てくるんだ。
まあ酔狂な会社だね。
ところで、うちの会社の建築構造。
いたって普通の作りなんだ。
もちろん面白く作り替えたいところなんだけど、その業務内容を考えると、作りを替えるとき、どう転がっても故意が発生しちゃうんだ。
だから、ずっと普通のまま。
それだけが、僕らの心の中に引っかかるのさ。

再帰起承転結

最近の「起承転結」の扱いのひどさと言ったら、どういうことだ。
「起承転結では分かってもらえない。まずは結論を先に言え」
「起承転結だと、まとまりすぎてる。もっと相手の目を引くような意外性を」
私たちが今まで学んできた起承転結は、一体なんだったのか。
何者にも変えがたい文章構成ではなかったのか。
みんな起承転結の美しさを忘れてしまっている。
そんな今こそ、起承転結を再認識すべきだ。
ということで、起承転結の「起」のゲスト。
誰もが二度は口にする、「冷やし中華はじめました」である。
・・・と、言い出しておいてなんですが、ゲストとしていいのだろうか「冷やし中華はじめました」。
これが起承転結の「起」としてまっとうであるかどうかは、正直微妙なところだ。
何故かというと、起承転結における「起」というものは、何かしら作者の意図を発するものでなくてはならないと考えられるから。
だから「冷やし中華はじめました」とだけ言われても、まあ店長の「これからたくさん食べてもらうぜ!!」みたいな意図はあるかもしれないけど、それはそれでそうですか、としか言えない。
これでは「起承転結」って、そういうことじゃないんじゃない?、となりそうだ。
しかし、「冷やし中華はじめました」が起承転結の「起」であると考えられるなら、必然的に「結」は「冷やし中華おわりました」で問題なさそうである。
冷やし中華によって、起承転結のうち、「起」と「結」が問題なく埋まるのである。
そうなると、残った「承」と「転」も、その始まりと終わりをつなぐ言い回しを行えばよいということになる。
例えば「承」を、「起」で生じるだろうポイントを明確にする章とし、「転」ではそのポイントを解決する章とする。
そうしてできた文章構成は、まさに「起承転結」であるといえるだろう。
このように、問題なく起承転結の構成に収まることのできるところをみると、「冷やし中華はじめました」が起承転結の「起」であることに不自然な点はないのである。
よって、ここは「冷やし中華おわりました」となるわけだ。

強くしてみる

緊急特別企画
特に何も書くことないので、適当に「強く」してみようのコーナー。
=====

マッサージチェア

電気いす
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※ぷっすま拝見中につき、その中で出た言葉を主に強くしてみる。
1
クロスワード

アメリカ航空宇宙局(NASA)の地下にある隠し通路の地図
2
パラグライダー

パラグライダーズ
3
れんこん

三節棍
4
「ファイナル入れちゃいましょう」

「花より男子ファイナル入れちゃいましょう」
5
タンデム

「タンデムをちょっと強めに」
6
POMERA

大怪獣POMERA
7
土浦上空独り占め

茨城県域花ばたけ運動
8
「着替えてる、インストラクターの先生」

「トランスフォームしてる、インストラクターの先生(サイバトロン側)」
9
「怖ーい 無理無理」

「怖ーい 無理無理(しつこくならない程度に)」
10
じゃんけん

じゃん拳
じゃ、そういうことで。

本当の自分

キョウコ
「本当の自分? 誰だって人に何かを教わりながら生きてるのに そんなものあるのかね」
??????????
「あん?。まだ酔ってないよ?」
あなたは、酔っています。
「何だよー。お化けの出るトンネルってことだけど、何も起きないじゃん」
あなたはこのあと、ひどい目に合います。
「この任務が終わったら、エリカの待つ街へ帰るんだ」
あなたはもう、帰れません。
「ふははは!!。私はまだパワーアップを3回も残しているぞ!!」
あなたはこのあと、負けます。
「もうテスト勉強、ぜんぜんやってねー」
真に受けるのは、あなただけです。
—番外おまけおみそ編—
「あーあ。今年もこの日が来ちゃったな」
あなたたちはこのあと、イエス、フォーリンラブと言います。
「ノースリーブの女の子が後ろにいるとき?」
あなたはこのあと、あると思いますと言います。
「やたらPerfumeの影響を受けているCMについて」
あなたは、別に感じなくてもいいはずの微妙な嫌悪感を覚えます。

いけないところのはなし

「髪型を変えたのに、誰も気づいてくれない」
その人はそういって、うつむいた。
このとき、気付いていようがいまいが、「いや、気づいていたよ、ほんと」という旨の発言を行う人は、人が心から笑っている顔をまじまじと見てしまった人である。
この発言にはそれ以降いろいろなオモシロ事柄に派生していくための要素がすでに用意されているのである。
「気づいていたよ。かれこれ半年」
「気づいていたことを気づかれないようにするのが、大変だったよ」
「わかってたよ。だって、部屋内の空気の流れがいつもと違うもの」
「気づいていたよ、ほんと。ひぐらしのなく頃から」
「そりゃ気づいていたよ。むしろ君を見るたび、前の髪型を思い出して、頭の中でイメージをとっかえひっかえしていたんだ」
一方、「ごめん、気づいてなかった」という人は、なんというか、強い。
誠実面インプレッションが強い。
「ごめん、気づかなかった。そのお詫びといってはなんだけど、一緒にお昼、どう?」
僕的には、王手である。
さわやかチェックメイトである。
「ごめん、気づかなかった。実は今日、つぶれたアゲハの幼虫見ちゃって。あの鮮やかな終令、ってやつ?。あれがどうしても忘れられなくて、気づかなかったのかな。一緒にお昼、どう?」
「気づかなかった。もう、本当に気づかなかった。でも、こうやって気づかないあいだにも、太陽は輝き続けて、風はふき、ヌーの大群が川を渡っているんだよね。一緒にお昼、どう?」
こうなるとめんどくさそうだが。
そんなシーンのとき。
僕は「もちろん気づいていましたよ。えへへ」と言った。
このへんに僕のいけないところがあるわけだ。

お好み焼き

何かあれば、お好み焼きだ。
なんてうまいんだ、あいつ。
いいことがあればお好み焼きを食べようかと画策している。
本日それが実り、食べに行った。
レジでぼーっと店員さんを待ち、カウンターに通される私。
ひとりで食べに行ったのだ。
お好み焼きはひとりで食べることが多い。
ちょっと人より、好きすぎるのかもしれない。
ところで、ひとりでのお好み焼きは楽でいい。
例えばふたりでのお好み焼き屋さん風景を考えてみよう。
たいていテーブル席にある鉄板は1枚だ。
そこで種類の違うお好み焼き、へたするとお好み焼きともんじゃ焼きという組み合わせが鉄板一枚上で起こるのだ。
国取り合戦である。
少しでも相手の生地と混ざろうものなら、さっきまでの和気あいあいとした空気はどこへやら。
お前が悪いあんたが悪いと罵詈雑言が飛び交い、最終的には領空、制空権どうこうにまで話が進む。
その点、ひとりは安心。
私の島を、誰も侵しはしない。
さて、カウンター席はまだ準備がされていないらしく、「今から火をお入れいたします」と店員さん。
頼むぞと私。
数分後、火の状態を見て、「熱されるまで、もう少しお待ちください」と店員さん。
任せたぞと私。
すると、「カウンター席様、鉄板待ちでーす!!」と店員さん。
私もいつか鉄板ネタが持てるだろうかと私。
お好み焼きと焼きそばを堪能していると、「お冷はいりますか」と店員さん。
いりませんと私。
数分後、「お冷はいりますか」と別の店員さん。
そんなに私はお冷を欲している顔をしているのかしらと私。
食事後、満席の店内を駆け巡る、忙しくて精算どころじゃなさそうな店員さん。
声をかけられず、レジの前で泣きたくなってきた私。

どうしよう

誰もが一度は間違えることに「アタックNo.1」と「エースをねらえ」があるだろう。
実際、僕もそうだった。
ということで、そんなに間違えるなら、いっそのこと混ぜてしまえ、というのが本日。
「アタックNo.1」
「エースをねらえ」

「アタックをねらえ」
「エースNo.1」
「カレーにチョコレート」。
混ぜてみたら、案外よかったの体である。
アタックをねらっているのだろうし、エースがNo.1であることはみんな納得だ。
ではもうひとつ、違う混ぜ方をしてみる。
「アタックエース」
「No.1をねらえ」
これも問題ない。
ということで、ここまで問題がないことが、内容としては問題である。
どうしよう。
「どうしよう」とくれば「カリオストロの城」での銭形だと思うが、どうか。
自慢じゃないが、僕はあのモノマネが得意であるしかし、誰にも見せたことがない。
「誰にも見せたことのないモノマネ」とくれば、米良美一のもののけ姫だと思うが、どうか。
たいていの人は、一度はやってしまっているのではないか。
仕方ないので、混ぜてみた。
「もののけの城」
「カリオストロ姫」
これもやはり案外よかったの体で、いまいち問題にならね。

たれ

いわゆる「手タレ」という仕事がある以上、昨今の健康志向もあって、「腹タレ」がいることは想像に難くない。
これからその生息数が減少すると思われる、メタボなおなかを提供するプロである。
彼らが社会的に「でぶタレ」と違う点は、その体型を、薦められたものじゃあないよ、と宣言している点だろう。
彼らは「こんなおなかに、効く!!」といった感じの広告に登場するのであり、それは「こんなおなか、ダメ」と言っているのと等しいわけだ。
現在肥満は、降りもしないのに降車ボタンを押してしまったバス乗客のように、すこぶる敵視されている。
しかし上記のような人たち、または病により、故意では無いが見た目上はそういったことになっている人たちもいるのである。
そんな背景がある以上、彼らだけはその不当な扱いを避けられるべきである。
ところがそうなると、この制度(?)を悪用する人が現れるだろう。
医者「おや、ちょっと太りすぎですね。いけませんよ」
タレント「いや私、おなかのタレントでして」
医者「え、なんですか、それ」
タレント「○○胃腸薬のCMのおなか、あれ私なんですよ」
医者「そうなんですか。ちょっと触らせてください」
こうなって、無罪放免である。
これでは本職も、特に死んではいないが、うかばれない。
無論彼らは、そう遠くないうち、声をそろえて「メタボ免罪符」の発行を求めるだろうが、そうなると今度はメタボ免罪符の偽造が横行する。
本物のメタボ免罪符に印刷されている「太ってGOMENNE」の部分が、偽造されたものになると「太ってGOMENE」となっているのだ。
そうなると会議(なにかの)は、偽造問題とその精巧さもさることながら、そもそも本物に印刷された「太ってゴメンネ」自体が何事か、ということになり、踊る。
すると今度は新聞の一面が「会議は踊る。されど痩せず」といったことになり、後世になんとなく伝わるだろう。
これはこれでおそろしいことではあるが、何よりもおそろしいことって。
今回はこれで終わりということである。

解体

「マグロの解体」がなぜ、あんなにもメディアで取り上げられるのか、疑問だった。
迫力はあるし、ああいったものが捌かれゆく姿はあまり見られないものではあるが、実際見てみると「ふーん」な感じになってしまうだけだから。
ところが先日、何の何かを覚えていないのだが、「マグロの解体」という行為に対して、その「解体」という言葉を指摘した意見があった。
詳細は覚えていない。
が、それを聴いて僕は驚き、そして反省した。
「マグロの解体」の「解体」部分のすごさに気づいていなかったからだ。
それは圧倒的な構造物、要は建築物を分解していく際に主に使用される。
例えばビル。
ビルが分解される際、それを表す言葉として「解体」というものが使用される。
その言葉は、「マグロの解体」のそれと同じものということなのだ。
ビルの解体はいろいろ計算されて、リスク、コストが最小になるようになされているだろう。
そうなるとマグロの解体という言葉も、やけにアナトミーなものをかもし出す。
何か厳かな雰囲気さえ、まとう。
なんだ、すごいいいんじゃないか、マグロの解体。
と、これまでを踏まえると。
ビル由来ということでいけるかもしれない「マグロ爆破」。
世界まる見えで取り上げられないだろうか。
いや、むしろ既に放送済みだったりしないだろうか。
「ビル爆破を三世代にわたって請け負い続けているスティーブン一家」
「マグロ爆破を三世代にわたって請け負い続けている川上一族」
・・・川上一族のいるとするならば、それはマグロが獲れすぎているということに他ならない。
マグロの肉片をまたぐ猫が多いかも、ということに他ならない。

サン・ドニのポーズ

では今日は、昨日のおさらいから、新しいものも含めて。
ヨガのポーズをやってみましょう。
まず、「三日月」のポーズ。
はい。
次に、「英雄」のポーズ。
はい、苦しいですけど、がんばって。
次。「三角」のポーズ。
はい。いいですね。
「弓」のポーズ。
はい、次。
「猫」のポーズ。
はい。よくできました。
では、ここからは新しいものも含めたポーズをやってみます。
どんなものかわからなくても、とりあえず実践してみてください。
ヒントを上げます。
では。
「船」のポーズ。
はい。これは前のやつですね。
次、「かえる」のポーズ。
そう、そうです。
では次、「スライド式携帯電話」のポーズ。
うん、いいです。はい。
じゃあ次は楽な、「大」のポーズ。
はい。手を広げて寝転ぶだけですね。
次。「ぬ」のポーズ。
少し難しいですけど、そう。ひざを抱えて、はいそう。
じゃあ次、「う」のポーズ。
これもいけますね。まず、点を表現するためにはまず、首を、そう。
そうしないと。
・・・
・・・・・・
「うまくいった」の合図。
固唾をのんで見守っていたあいつ。
手早く指図。
もうすぐ来るだろう警察。
誰がどうみても自殺。
「これで遺産は僕たちのものだ」とセリフそして宴。