骨性チラリズム

童話か何か「ヘンゼルとグレーテル」は、彼らが何か魔女に捕まってしまいつつも、そこから逃げ出しましたという感じの話であり、いつも以上に自信がなさそうで申し訳ない。
この童話だが、僕には気になる点がある。
記憶が曖昧だが、追っていってみよう。
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悪い魔女につかまり、その身食われるのを待つばかりとなった「ヘンゼルとグレーテル」。
魔女は彼らをおいしくいただくために肥えさせようと、大量に物を食わせる。
フォアグラの要領。
さて、いい具合になったと思われるころ、魔女は肥え具合を確認しに来るのだが、実はこの魔女、目が悪い。
そのため、魔女は「相手の指を触って、その肥え具合」を確認しようとするのである。
このとき、彼らは機転を利かせて、魔女に鳥の骨を差し出し、まだガリガリであると思い込ませることに成功、あとはてんやわんやでグッドニュースとなり、おわり。
どうだろう。
みなさんも疑問が生じたかもしれない。
「魔女さんよ、肥え具合確かめるのって、指か?」である。
もっと適切な確認方法があるだろう、と。
誰もが思いつくのが腹だ。
抱きつけばその感触とその暖かさから、彼がどれほど痛風に近い人物なのか、わかるという心算である。
また、ふともも。
ももをさらけ出せと命じ、手を当てればそれ、骨が感じられそうなくらいの痩せ様か、それともセルライトぼこぼこの、やれここは月表面かと思わせるくらいの出来か、ちゃんとわかる始末。
物語のように出し抜かれずに済むのである。
さらには室内温度、息遣いなどでも肥え具合をある程度判断できそうだが。
とにかく、魔女はこうした方法を取らなかった。
考えられることは、こんなとこか。
彼女は人のぬくもりに慣れておらず、そしてここで慣れるわけにもいなかったのである。

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