触らば落つるそう柿のよに。

誰だって、異性に触れれば、少しはどきりとくるはずだ。
もちろんいやらしい意味じゃなく、例えば物を渡すとき、手の触れ合ったりすること。
そんなことでも、妙に意識してしまったりするでしょ?、そりゃあ。
僕もそう。
というか、触れたら即恋というくらい、好きになってしまう。
そしてそれになんだか罪悪感を感じる。
だから、それはもう誰にも、特に異性には触れないように生活していた。
物理的にも、精神的にも。
あれは高校2年のとき。
美術室の掃除係だった僕の班は、いつものように集まりが悪かった。
僕と男子生徒、そして一人、女子がいた。
美術室の掃除だって、そんなに大変なものじゃない。
班員全員が集まればすぐにも終わるものだ。
だけど、班員は半分だから、少し面倒。
椅子の足の裏をぞうきんで拭くのにも、時間がかかる。
それでもそうこうしているうちに、掃除も終わりかけてきた。
そこで、僕はゴミ箱に設置する袋がないことに気付いた。
これは職員室の前の棚まで、取りに行かなくちゃならない。
僕は班を解散させると、一人で取りに行くつもりだったけど、何故かその女子が一緒に付いてきた。
なんで付いてくるのか、僕にはわからなかった。
さっきも書いたけど、僕は「異性に触れないように」立ち回ってきた。
せっかく掃除も終わったんだし。
無理に僕に付いてくることないんじゃないか、なんて。
職員室の前についたはいいけど、僕は空気を気にしていた。
「異性に触れないように」の生活はしていたけど、別に誰かを邪険になんかはしなかったから。
でも、その子が付いてきたことがいまいち不可解で。
二人は妙に静かだった。
僕はかがんで、何も言わずに棚をざっとのぞき、10枚入りのゴミ袋セットを見つけ、それごと棚の上に持ち出した。
その間、その子は後ろで何も言わずにそれを見ているんだ。
何なんだろうと思いつつ、何か面白いことでも言うかと思いつつ。
僕は結局無言で、そこからゴミ袋を一枚、取り出そうとした。
すると、10枚のゴミ袋をまとめていた袋が破けてしまって、10枚全てが出てきてしまった。
なんとなく不可解な空気が流れている中での出来事で、固まる僕。
すると、今まで静かにその挙動を見ていたその子の、くすりと笑う声が聞こえたんだ。
その顔を思わず見てしまった僕、の顔と、そのゴミ袋の束を、見比べて、にこにこしている。
僕はなんだか急に罪悪感を覚えて、たぶんひきつった笑顔をして、10枚ごとゴミ袋を手にし、美術質に続く廊下を歩いた。
その子は後ろから、何もなかったかのように付いてきた。
その後、僕はその子とも、そして誰とも色恋沙汰が発動することなく、高校生活を終えた。
「異性に触れないように」することは、一見完璧に遂行されたように思える。
でも、今でもゴミ袋を取り出すとき、まとめて取り出さないように注意しながら、やけに妙な罪悪感がぼんやりと浮かんでくるんだ。

稚拙だ髪の、掻き上げ方。

『あぁ、あの子はキスをしてほしかったんだなぁ』
何よ?、急に
『何故か今、突然わかったよ』
ど、どういうこと?
『まだ中学1年くらいのとき、近くに幼馴染の女の子がいたんだ』
ええ
『よく遊んでたんだ。その日もそうだった』
『夕方。日も暮れかかって、ボールを捜していた僕らはもう帰ろうとしていた』
『そのとき、探しに行ってたその子が言うんだ』
はあ
『向こうの公園のベンチで、カップルがキスしてるって』
へえ
『僕は正直、なんでそんなこと言うんだろ、とそのとき思ったよ』
『それに、遊び疲れていた』
『そんな僕に、その子はこう言ったんだ』
なんて?
『ちょっと、一緒に見てこようよ、って』
ほう
『僕は気が乗らなくて、えーいいよー、って言った』
うん
『そして、ほんの少し間が空いて、彼女はそうだねと言ったんだ』
うん、で?
『その間、それがよくわかんなかったんだけど、今、わかった』
え、それでさっき言った「キスしたかったんだ」になるの?
『うーん、そうなんだけどね。』
『けど、なんだか分からないけど、分かる。そんな感じ』
・・・で、なんでそんな話を?
『本当に突然、今分かったんだよ。うん、偶然だねぇ』
・・・このままだと、次に私がそんなことを誰かに言わなくちゃいけなくなるかもね・・・。

あだ名3

くそう。
こんなアダ名、あこがれたらキリがないぜのコーナー。
◆リファレンス
用法:
「えぇ、今リファレンスのケータイからかけてますけど」
由来として考えられるもの:
問いかけると、とりあえず何かしらの答えが返ってくる
◆未遂
用法:
「ボーカル:hiro ギター:misui ドラム:B.B.」
由来として考えられるもの:
一発芸の順番が来る前に、飲み会が終わってしまった
◆輝きながら
用法:
「輝きながら、ずいぶん遅れているみたいだけど。」
由来として考えられるもの:
カラオケで何故かラストに「輝きながら」を歌おうとする
◆ポッチ
用法:
「ポッチんとこの弟、今小4だっけ?」
由来として考えられるもの:
給食で少ない量のおかずをあてがうと「ポッチかよ!!」と言う
幼少より、Tシャツの中で指を立てて「ちくび!!」と言ってきかなかった
◆パダラゴ村長
用法:
「村長、火の準備ができたみたいだよ。」
由来として考えられるもの:
大型動物の頭骨をかぶっている
鼻と上くちびるの間に、人間の大腿骨を装着している

「串」という漢字が、かわいそうだ。
あまりに「くしに具ささってます、から生まれました」が出すぎているからだ。
例えば「心」という漢字。
この誕生も、「串」と同様の流れでできたはず。
そのものの形状から生まれた漢字ではなかったか。
心臓。
生あるときは脈打ち、その鼓動が途絶えたとき死を迎えることを知った古代の人々が、心臓にバリバリ興味を持つのは仕方のないことだ。
それを観察しまくったに違いない。
そして、それはどこも同じで、この心臓の形を由来とし、「心」としての漢字が誕生したわけだろうが、ここで「心臓」の形状と「心」のそれを見比べてみると、それほどお互いが似ている、という感じはしない。
「心臓」と「心」。
「心臓」の形状から簡略的な象形文字が誕生。
その後、いくらかの変遷を経て、現在「心」に至る。
要は、「心」という漢字が洗練されるのには、年月がかかってる気がする。
その点、「串」ときたらどうだ。
実際に誕生が最近だったりするのかもしれないが、その形はあんまりじゃないか。
なんだ、この漢字が生まれたときはもう、ねぎまとかちくわぶがあったのだろうか。
確かに「くしにものが刺さったもの」がどう描写されるかといえば、ほぼ「串」の形だろう。
だからといって、あまりにそのまま。
しかも、どうしたことか。
くしにささっている「具」に、大小が表現されている。
なぜ大小が表現されているんだ。
この漢字が誕生したとき、大きい田楽と小さい田楽があったのだろうか。
その細部を表現する必要があったのだろうか。
父親はちゃんと大きい方の田楽を子供に与えたであろうか。
子供は遠慮する母親を気遣い、大きい方の田楽を食べなかったであろうか。
何か、すごくよく飛ぶように設計された竹とんぼみたいな形だが、そのせいで親子が田楽を味わえなかったということはないだろうか。
あーもう。
それほど気にならないな串!!。
おわりだ、おわり。
ということで今回、ひとつ言えることがあるとするならば、「串」の具は、うなぎではないな、ということだ。

ストラップ

ケータイを買い換えたことを受け、試しにストラップをつけることにした。
ストラップ。
今までつけていなかったが、今回購入したケータイは、使用時になんとなく不安定な感じ。
一週間後には「使用中落とす」→「踏まれる」のコンボをくらいそうな予感である。
そのため、ストラップを着用。
運悪くケータイ本体を落としてしまった場合、使用時にストラップを持ってさえすれば、それについたケータイは必要以上に落ちることはなく、結果踏まれることもない。
完璧な戦略である。
さて、いざ購入しにストラップ専門コーナーに向かってみると、あるわあるわ。
さまざまな種類のストラップがすずなりだ。
やはり、ケータイはそもそも落としやすいものであって、みなその危険性を感じているということだろう。
ところで、僕のケータイは黒い色だ。
ということで、それに合いそうなストラップを探してみると、あまりない。
というか、気に入ったものがない。
販売されているストラップのほとんどは「わっか」状をなしていて、それが気に食わないのだ。
僕は棒状またはひも状のストラップを探していたのである。
一般的にストラップの存在理由は、ケータイの装飾などもあるだろうが、主に上記に挙げた「落下防止」となるだろう。
その点、ストラップの形状がわっかであることは、そこに指または手首を通すことに適し、それはケータイの落下を確実に防ぐ。
まったく理にかなった形状なのである。
ところが、その理にかなったというところが気に食わない。
確かに理にかなっているだろうさ。
けど、別にわっかじゃなくったって、大丈夫だろって。
そういうことで、僕の欲しいのは、わっかをなさない、棒状ひも状のものなのである。
とりあえず、立ち寄った店ではそのようなストラップがあまりなく、わっか状じゃないにしても、なんだかやけに短い「画面ふき」機能を持つものであったり、ひもの先端に王将がついていたりと、らちがあかない。
他の大型電気やさんに赴いたが、そこでも芳しくない結果。
こういうとき、僕は自作に走る。
さっそく手芸屋にてストラップの根元部分と皮ひもを購入し、作成に取り掛かった。
すぐ終わった。
驚いたことに、ものの2?3分のうちに「ひもストラップ」は完成した。
ただ、ひもがびろーんと伸びているだけのストラップである。
その粗末さに気をよくした僕は、早速ケータイに装着してみた。
「ぜんぜん意味ない」
率直な感想である。
あらかた予想はしていたが、すばらしく意味がない。
ケータイ使用中はだらりとたれ、意図して指にひもを巻きつけないと、その存在意義を見出せぬ。
また、その形状から「ケータイのアンテナ、もげてるよ」と勘違いされかねないため、たいそう気に入った。
うん、わっかじゃなくたって、なかなかいいじゃないか。
そして今。
ケータイにはまったく異なる、わっか状のストラップがついている。
僕は、今なぜわっか状のストラップがついているのか、実はよくわからない。
あの、ひも状のストラップはどこに行ってしまったのか。
手芸屋で部品を買いまでした熱意はさめてしまったのか。
いつ、このわっか状のストラップは付けられ、ひも状のはとりはずされてしまったのか。
まあ、「存在理由がない」ということは、こういうことなのかもしれない。

そろばんエクステンション

そろばんを拡張してみよう。
その機能に着目すると、こうなる。
そろばん

電卓
しかし、そろばんのすごくできる人が、その速さを電卓でも維持できるかは、わからない。
その辺、妥協すると、こうなる。
そろばん

木製電卓
手触りは同じなので、よかった。
一方、こういった拡張もあるだろう。
そろばん

長いそろばん
誰か、作っちゃった気がする、日本一長いそろばん。
で、小学生が並んで打ってしまうのだろうな、長いそろばん。
年に一度、何かの祭りで登場するのだろうな、長いそろばん。
で、さらにそろばんを武具として考えると、その拡張はこうなる。
そろばん

そろばん二刀流
これは、どんどん拡張していく。
そろばん二刀流

釘バット

そろばんの上に正座させる。
ということで、そろばんを拡張してみると、
「長いそろばんの上で正座しながら電卓らしきものをいじる」という、行動になりました。
わかりましたか?。

卒業文集 10番

卒業文集
10番 これから
みんな、僕の顔を見ると、微妙な面持ちでした。
なぜでしょうか。
僕が「つかず、離れずの距離を維持したい」ときに使われるからでしょうか。
これからも、よろしくお願いいたします。
これからも、いいお友達でいましょう。
これからも、元気でね。
それとも「その前は何してたんだい」と思われるからでしょうか。
これからは、頑張ります。
これからは、ちゃんとします。
これからフランス語を勉強する方に。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
妻子も、そう言っていました。
これからがあるんだから、いいじゃないですか。
僕がいなかったら、よろしくお願いいたされないのですし、友達でもないし、元気じゃない。
頑張らないし、ちゃんとしないし、フランス語の勉強もしないじゃないですか。
もてはやせ、とは言いません。
「お前、いつから「これから」が始まるんだよ?」
この学校で、30回は言われたひやかしです。
僕が「これから」である以上、ある意味もうこれからが始まっているし、もう終わっているとも言えるのです。
それだけ、みんなに伝えたかったです。
追記
これだけ「これから」を見ていると、ゲシュタルト崩壊チックに、ワケが分からなくなりますな・・・。

えいえいおー

本当は、いつも以上に伝わりにくいので、書きたくないのです。
でも、ここのところ、また気になって仕方がないのです。
発端は正月。
突然、気付いてしまった。
「えいえいおー」の語源。
ではなく、そのやり方に2通りあることを。
【おさらい・えいえいおーの動作種類】
・こぶしを上げる動作(2回)
・こぶしを引く(2回)
・高くこぶしを上げる(ラスト)
【おさらい・えいえいおーの掛け声種類】




おー
【パターン?】

ここで、こぶしを上げる動作

ここで、こぶしを引く動作

ここで、こぶしを上げる動作

ここで、こぶしを引く動作
おー
ここで、高くこぶしを上げる動作
【パターン?】
ここで、すでにこぶしが上がっている


ここで、こぶしを引く動作
ここで、こぶしを上げる動作


ここで、こぶしを引く動作
おー
ここで、高くこぶしを上げる動作
=====
うわあ。
やっぱりわかりづらい。
本当は動画がいいんですけど、諸都合により当ブログは画像系はナシなので。
こいつが気になって最近、帰り道などで小さなえいえいおーを試してしまうのです。
ま、とにかく、いろんな人に聞いてみたけど、案外意見が分かれます、「えいえいおー2通りの件」。
そして、もう一方のやり方を試したがって、その場はえいえいおーが乱れ飛びかうのです。
正月。
僕と幾人かは、一生懸命えいえいおーを試していた。
えいえいおーをするのを恥ずかしがって、やらない人もいたが。
えいえいおー。
えいえいおー。
あれ、今まで僕がやっていたえいえいおーは、こうだっけ?。
えいえいおー。
えいえいおー。
恥ずかしがってやらなかった人は、余計に恥ずかしそうに。

いつものやつ。

わかっているんだ、作り手だって。
水戸黄門のマンネリな感じ。
だから、ときどき敵側にアプローチしたりするんだ。
でも、水戸黄門のマンネリな感じ。
印籠を出したときの「ぼよーん」という効果音だって、変えたいんだ。
やっぱり、水戸黄門のマンネリな感じ。
ということで。
せっかく月曜日で、しかも水戸黄門を見たので、マンネリを打破する案を搾り出したい。
===============
「水戸黄門、これならすがすがしい朝のような、新規な気持ちで見られるぜ!!」
===============
◆レベル1
・ただの旅番組として、全国の名産品を取り上げる
・水戸黄門が黒髪ふさふさ
・現代風にアレンジされ、みんなスーツ
・助さんがうっかり八兵衛担当も兼ねる
・格さんがお色気担当も兼ねる
◆レベル2
・歴代水戸黄門勢ぞろい
・敵がいさぎよすぎて、印籠出すタイミングを逃す
・落とした印籠を探す旅に出る
・みんなタメグチ
・悪代官が密輸入したご禁制の品として、ヘリコプターが登場する
◆レベル3
・印籠を出すときの音が、番組直前で流れるナショナルCMの歌
・番組中、ちょこちょこナショナル製品が見え隠れする
・代官所のカベに、コンセントが
・夢オチ
・印籠を出す前の「静まれぃ」を「ボブマーリー」と言う
・敵をこらしめたあと、必ずみんな、ため息をつく
・ラスト15分は、LIVE中継
・三国無双みたいな敵の数
・ガンダム無双みたいな敵の種類
・水戸黄門のあごひげが、かっちかち
・賭場で、いかさまのサイコロを割ろうとするが、全然割れない
・丁半のいかさまを見破った弥七が「みせやがれ、そのダイスを!!」と言う
・番組アイキャッチのたび、由美かおるが風呂に入る
・貧しい家の少年アーサーが、古びた印籠を掘り出したところから物語が始まる
・貧しい家の少年アーサーが、古びた風車を掘り出したところから物語が始まる
・ラストの乱闘シーンで、敵を倒した数が点数として画面に表示される
・悪代官が最後まで悪事を認めないため、もやもやして終わる
・番組ラストで、土手を歩く水戸黄門御一行の横を自転車が通過する
・番組前後で、すさまじい量の冠婚葬祭のCMが流れる
・なんだかレベル3、挙げすぎだと思う

ストレス

人間の捕獲対象になっている、ある種の魚は、船のエンジン音に対してストレスを感じるという。
対照実験がどれほど行われているのかは知らないが、このことが指しているのは「魚、獲られることを知っている」ということだろう。
ここで気になるのは、「その魚の漁獲高は、年々減り続けているのだろうか」という点。
もし減少しているのであれば、魚はそのストレスを感じさせるものに対して、なんらかの対抗策を獲得しているに違いないのだ。
例えば、漁船が網を仕掛けたとき、深く潜ればその網にかからない、ということであるなら。
魚は船のエンジン音が聞こえたとき、それを実践するのではないか。
それが漁獲高の減少につながる。
このとき、人間サイドは、このおどろくべき魚たちの知恵に対して、対処法が必要になるだろう。
一方、その魚の漁獲高に、特に変化がないようなら。
彼らはこんな感じなのだろう。
魚A「あれ、なんかイヤな音がする」
魚B「本当だ」
魚A「あ、小エビ!!」
魚B「小エビ!! 小エビ!!」
ストレスは感じるらしいが、その音と危険性に対してはなんら対応できないため、特に何もしない。
結果、どうしても獲られてしまう。
先ほどの例で、小エビが登場しないとしても、こんなだろう。
魚A「あれ、なんかイヤな音がする」
魚B「本当だ」
魚A「わーわーわー」
魚B「わーわーわー」
なんら対応できないのだ。
しかし、魚にも策士はいるに違いないのだ。
魚A「あれ、なんかイヤな音がする」
魚B「本当だ」
魚A「あれは、僕らにとって危険な音だ。みんな集まれ」
魚B「わーわーわー」
このようにして、一網打尽。
一件落着である。