裏目ドリブン

運転手が、事件に関わりのある話をする。
主人公が、助手席からそれを注意深そうに聞く。
そんなシーンのあるサスペンスがありました。
でも、
窓の外を流れる風景は、普通乗用車の車高ではない。
助手席から運転席を見るシーンでは、その車を追い越していく、いくつもの乗用車が見える。
すごく、追い抜かれている。
これでは、視聴者としては事件の真相などよりも「あー、トラックの荷台とかに乗せた車での撮影だなー」ということが気になってしまい、事件は迷宮入りである。
「極力リアルな映像にしようと。よかれと思ってやったのに・・・。」
トラックの荷台での撮影をとがめているわけではない。
しかし、本来表ざたにはならないはずのそれが、より意識されてしまうことになった。
裏目に、出てしまった。
電車にて。
開いてる席の向かいの席に、ミニスカートの女性がいました。
なんとなくそこに座ることがはずかしいので、違う場所に移動することに。
結果、誰かに上着を思いっきり下に引っ張られてしまったんじゃないかと思わせるような服装の女性の後ろで、身動きできないことになりました。
やったね!!
いや。裏目に、出てしまった。
なぜ、裏目に出てしまうのか。
何か、物事を裏目にしてしまう何かが、裏で動いているのだろうか。
とここで、今の「やったね!!」ではないが、周りから「あー、裏目に出ちゃったね」と思われることに対して、当の本人の考えや意図は、全くそれとは別のものである、ということに気付かされる。
電車の僕にしろ、周囲は「あいつ、結局すごい背中の人の前に行っちゃったじゃないか」と思っていたとしても、その人たちには僕の考えを確定することはできない。
心の中でよだれを垂らしながら「やったぜ背中。露出。げへへ」となっていないとは、誰も言えないのだ。
冒頭のドラマスタッフだって、実は視聴者に「ぎりぎりトラック荷台の件を気付かせるような映像」を目指していたかもしれない。
監督「見ろ。撮影中で速度が遅いから、後続車にばんばん追い越されている感じに撮れてるぞ」
スタッフ「やりましたね」
そうなると、こちらの「あらあら、裏目ね」という感想が、彼らにとっては最高の賛辞ということになる。
となると、そんな簡単にスタッフを喜ばせたくはないため視聴者としては、気軽に「裏目だね」と言えないことになる。
裏目に、出てしまった。
発言をするときは、よーく考えるべきだ。
こういうときによーく考えて行動しないと、それは相手の思うつぼになりがち、ということであり、これからの人生、軽犯罪に巻き込まれる可能性が高い、とも言える。
ところで今回、電車の話以降はいらなかった。ちょっと短いから、無理に入れたのだが、面白くないね。
・・・、・・・・・・。

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