テーブル カンバス

その食べ方で、アイデンティティが存分に表現できる食べ物といったら、何だろう。
例えば、そうめんとスパゲッティを比較し、どちらが「多く表現できるか」を考えてみる。
<そうめん>
普通の
にゅうめん
てんぷらの衣に使用
ビーフン
<スパゲッティ>
ナポリタン
ボンゴレ
カルボナーラ
ミートソース
ぺペロンチーノ
etc・・・
思いつく限りを挙げたが、どうやらスパゲッティの方の種類が豊富そう。
単純なのだが、その種類が多ければ多いほど表現の幅が広い、と言えるかもしれない。
「俺、そうめんは、一口サイズにくるりとまとめられた状態を崩さないで食べるんだ。」
個性である。
「俺、ぺペロンチーノ食べるとき、一本ずつを油取り紙に通しながら食べるんだ。」
個性である。
そうめんや、ぺペロンチーノ部分を他の種類に変えることで、やる人がいるかはともかく、自由度はより高くなりそうだ。
ゆえに、種類が多いものが、アイデンティティの存分に表現できる食べ物になる。
「かに」の食べ方なんかも、色々できそうだ。
「かにの爪は、あとで遊ぶので、稼動部分を破損しないように食べます。」
個性である。
そのほかにも、
「まずは全ての身を取り出してから、それをほおばるようにして食べます。」
「身の細い、ワタリガニ系のものは、殻ごと噛みしだいて、その身をしゃぶります。」
「かにの手足は好きですが、本体は、びろびろがなんだかこわいので、手を出しません。」
「かにしゃぶって、何なんでしょう?」
という点でも、個性が表現できそうだ。
以上を踏まえると、アイデンティティを表現できる食べ物とは、こんな風にまとめられそうだ。
1.種類が多いもの
2.食べるのに過程が必要なもの
ということは、種類が多くて、食べるのに過程が必要なもの。
この2つの条件に当てはまる食べ物が、今回求めているものだ。
この点、一般的にかにと呼ばれているものは、遜色ない。
「俺、ケガニは正座しながら食べることにしてるんだ。」
「タバラガニだと思って食べてたのが、実はタラバガニだったの」
「え、うち、かにの身はストローで吸うよ?」
「僕の食べようとしたかに、タコがとろうとしたんだ。タコだけは許せねぇ」
「近畿地方では、ほとんどの子供がタカアシガニの足をしゃぶっています。ほのかに甘いのです」
「高峠町が毎年行う「スベスベマンジュウガニによる中毒撲滅キャンペーン」にはたくさんの人が訪れ、食べられずに余るスベスベマンジュウガニを用いたゲーム「くずしてがっぽりんちょ」でついにキャプテンブリーダーの獲得者が誕生するなど、大盛況となった」
「たてぶえにかにの身を仕込むというネタを、もう2つも確認しています」
個性の数は、かにの数。

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