もう、迷惑になる。
そんな言葉すら自己満足だ、っていう人もいるけれど。
もう、耐えられない。
「純子!!。」
「ひ、柊君・・・。」
「その荷物、なんだよ!?。」
誰にも話してないのに。
夜なのに。
目の前で、柊君が息を切らせてる。
「な、なんでもないよ・・・。」
「嘘つけ。一人でどっか行こうとでもしたんだろ。」
「そ、そんなことないよ。」
「なぁ、周りのヤツなんて、関係ないよ。関係ないんだ・・・。」
「・・・うん。」
「それとも純子、俺のことが嫌いとか、重荷、とか・・・?。」
「そんなことない!!。」
そんなこと、絶対ない。
「ごめん。またそんな風なこと、言って。」
「・・・いいの。」
「なぁ、手、貸せって。」
「え?。」
「手、貸してみろって。」
「・・・。」
もう会わない。
そう思っていたから出せずにいた手を、無理やり柊君がとった。
「もう、冷たいな。」
「・・・うん。」
「俺はな、純子。いつだって、この手を離そうなんて思ってないよ。」
「・・・うん。」
「なぁ、さっきはあんなずるいこと、言ったけど。」
「・・・。」
「これからはもっと、ずるくてわがままになるときがある。」
「・・・。」
「純子がどこに行ったってな、この手をつなぎに、どこにだって目の前に現れてやる。」
そう言いながら、彼はそっと、私の頭をなでた。
「だから、どこにも行くな。」
色々なことがあったのに。
何で、まだそんなに私のことを想っていてくれるの・・・。
彼の言葉に、胸がギュンとなった。
※謎タイミングだが、なんとなくすこぶる人気の映画『僕の彼女はサイボーグ』の内容を、タイトルのみで勝手に予想。
やってる映画の予想、ってのもなんですが。