いろいろ 1

宮沢章夫氏の本に「人生いろいろという言葉の、文章を終わらせるちから」が載せられていた。
僕もその効果に着目し、なんとなく気にしていた言葉だった。
その本は、その終わらせっぷりを明確に指摘していて楽しかった。
人生いろいろ。
そう。
それは、文章を完結させるちからを持つ言葉。
ちょっと、適当なセンテンスに人生いろいろを使ってみよう。
「春風に乱れる髪を押さえていたのは、僕が話しかけてしまった女だった。人生いろいろである。(吉田修一 パークライフ)」
「丸大豆醤油50%使用。まろやかで、こんがり香ばしい。人生いろいろである。(ハウス とんがりcorn)」
「スピーカーから、小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。人生いろいろである。(村上春樹 ノルウェイの森)」
今、「とんがりcorn」のパッケージに表記されている「c」の大きさが微妙で、大文字なのか小文字なのか、すごく気になっているが、とりあえずこの完結っぷりはどうだ。
既存のもので例えを記したこと、罪悪感が無いわけではないが、それにしても、人生いろいろによって、完結されてしまっている。
すごいぜ、人生いろいろ。
まぁ、詳細はその本でも見て。
明日はこの完結っぷりについて、気になっていることがあるので、それを書く。
※ちなみに、今回挙げたモノは、絶賛発売中なので、これにてごめんなさいである。

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