軽傷

ニュースなどで事故の報道がなされたとき、耳にするのが「軽傷」である。
この「軽傷」。
我々、事故の当事者ではない側の人間に与える印象について、かなり正確に形容できているシーンを、僕は知っている。
「おもいっきりテレビ」あたりで事故のニュースが流れたとき。
アナウンサーが事故の惨劇を伝えつつ、運転手が軽傷で済んだことを口にした瞬間の、スタジオ。
残念な事にその場にいたことは一度たりともないのだが、あの感じが「事故の当事者でないものたちの、軽傷」だと思う。
安心したときに出る、ため息。
我が事のように安堵する。
「なんだかんだ言って、命があってよかったネェ、ホント。」
お前はちびまる子か。
そりゃ「事故が発生し、一車線分、全滅でした。」とかはいやだけど、そんなに「よかったよかった」を出さないでもいいと思うのだが。
「いろいろ大変だとは思うけど、命あってのものだねじゃない!!」
とにかく「軽傷」という言葉が我々に与えるのは、そういったものである。
これって、怪我をした方にとっては、ちょっといやかも。
「軽傷」とタイプすると、ご丁寧に「全治一ヶ月未満」というコメントがでた。
全治一ヶ月。
通院等を含めた期間だろうが、結構しんどいのではないだろうか。
「軽傷」が第三者に伝えていることは「当事者が軽傷をおった。」
これだけ。
これだけである。

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