ぬる豚ハチミツフォークロアの心象

以前、「ぬる豚」について書いた。
(酢豚の酸味がぬるくて、ざんねんだった話)
この後、その店では酢豚を食べていない。
お店の第一印象がぬる豚になってしまったからね。
ということで今日はいつかも書いた、「第一印象」について。
例えば、初めて会った人に、いきなり「見る?、背中の袈裟斬りあと。」と言われたら、心象が悪いだろう。
新発売のウーロン茶の缶に、「微炭酸」とか嘘を印字されていても困る。
心理的なことは分からないけど、第一印象が大切だって事くらいはわかる。
上記の例が見られないのは、やっぱりみんな気にしているのである。
袈裟斬りの人も、だいぶ慣れ親しんだ人以外には見せないし、言わない。
ウーロン茶の会社は消費者にメッコール的な印象を与えてはならないと思っているのだ。
だが、この世界。
予想だにしない事象も存在する。
例えば、はじめて通る道で、突然ヘビに出くわしたら、その道はもう「ヘビの道」となって、あなたを情報の中心として地域へ拡散していくだろう。
でも、考えてみてほしい。
ヘビはいつもスタンバっているわけではないのです。
ヘビも、けっこう驚いたのです。
ヘビは、ねずみを食べてくれます。
また、
その道は、駅への近道だったりするのです。
その道は、仲のよい老夫婦が道端にパンジーを植えているのです。
なのに「ヘビの道」。第一印象で決まってしまった。
ざんねん。
もひとつ。
電車の中で誰かと目が合ったときに、たまたまその人が両手をきつねの形にしていたら、その人は「両手をきつねにしている人」となり、中央線フォークロアとなる。
でも、考えてみてほしい。
彼女はただ、影絵の練習をしていたのです。
今日は髪型を少し変えてみたのです。
音楽はチャットモンチーが好きなのです。
しかし、もう彼女は戻れません。
ほとんどの人にとって、第一印象が「両手をきつねにしている人」であり、かなり良くても「整った髪形の、チャットモンチーが好きな、両手をきつねにしている人」なのである。
ざんねんだよね。
だから、第一印象も大切だけど、余裕があったら第二、第三も視野に入れた方がいいのかもしれない。
そうすれば、
「ヘビの出る、パンジー咲き乱れる道」
「ちょっときつねの手つきをしているけど、チャットモンチー好きの彼女」
とかなる。
もちろん、第二を視野に入れたら「ぬるぬる豚」の可能性もあるのですが。
うまいこといかないもんだねぇ。
世界も、ネタも、ぬるぬるも。
今日もぬるく終わり。