天地人その2

?「君はどうして、そう沈みがちな性格なのだね?。」
「どうも、生まれてこのかた変わらないんですよね・・・。」
?「ちょっと、モグラ君の時間を取っておいてあげたから、アドバイスしてもらいなさい。」
「こんにちは。」
モグラ「君か。沈みがちな人というのは。」
「なかなか治らないんですよ。」
モ「それはそうだ。人間誰しも少なからず、そういう性質は持っているよ。」
「と、いうと?。」
モ「人間は地上をうろつくだけだから、上とか下とかに対する考えがどうしても希薄なんだよ。」
モ「その点、俺達は地中を自在に動かなくちゃいけないからか、上昇志向というか、そういうものをコントロールできるんだ。」
「上に行くときはどういう風に?。」
モ「カンタン。土というものがあるから、それをかきわける力があれば、上も下も行き放題だ。」
「モグラさん。モチベーションの維持って、どうしてます?。」
モ「俺らは食べることが生きることだから。そこを約束されてることが、維持に直結しているね。」
・・・
彼が、給料の代替として会社敷地の地下占有権を獲得したことを思い出した。
僕はその地下占有権を獲得したかのように、沈んだ気持ちになった。

天地人その1

?「君はどうして、そう沈みがちな性格なのだね?。」
「どうも、生まれてこのかた変わらないんですよね・・・。」
?「ちょっと、マッコウクジラ君の時間を取っておいてあげたから、アドバイスしてもらいなさい。」
「こんにちは。」
マッコウクジラ「君か。沈みがちな人というのは。」
「なかなか治らないんですよ。」
マ「それはそうだ。人間誰しも少なからず、そういう性質は持っているよ。」
「と、いうと?。」
マ「人間は地上をうろつくだけだから、上とか下とかに対する考えがどうしても希薄なんだよ。」
マ「その点、俺達は深海から浮上しなくちゃいけないから、上昇志向というか、そういうものをコントロールできるんだ。」
「浮上するときはどういう風に?。」
マ「カンタン。うれしかったことを思い出すんだ。すると、実際に浮力が出てくるんだ。」
マ「俺がいつも思い出すのは、小3のとき、先生に「マー君は25mプールにぴったりはまるのね。」って言われたことだ。」
「ちなみに、潜水するときは?。」
マ「中1のときに、あだ名が「道祖神・黒光り組」になったことだ・・・。」
と言うないなや、彼は腹をおさえながらうずくまり、動けなくなった。

鞭と中傷と飴

年末は眠いので、基本的に楽しようと思う。
今、僕の目の前には「グリコ カフェオーレ」が。
円筒形で、上に行くほど少しだけ細くなっている、印象に残る形の容器だ。
飲んでみる。
・・・
甘いなーおい!!。
明らかに再犯しそうな犯人を「もう戻ってくるなよ」って言って笑顔で送る看守くらいに甘いよ!!。
「ミルクたっぷり フランス式コーヒー」って何だよおい!!。
このフレーズでどれほど客の購買意欲を湧かせられるんだよ!!。
「カフェオレ」じゃなくて「カフェオーレ」なのかよ!!
「カフェオーレ」ていうとこだけがフランス式なんじゃないのか!!。
商品名もカフェオーレってなってるけど、ちょっと恥ずかしいだろ!!。
「50/50」ってなんだよ!!。
「生乳&無脂肪牛乳とコーヒーの割合」かよ!!。
いたって普通だよ!!。
グリコのマーク、だいぶ走ってんなおい!!。
体に社名背負って走るなんで、社長泣かせだなおい!!。
「◆ORIGINAL◆」って、何だよ!!。
じゃあ、何がオリジナルじゃないんだよ!!。
「公正」って何だよ!!。
はんこみたいに書いてあるよ!!。
全体の印象、何だよ!!。
ブルジョア気取りかよ!!。
容器の重さ、何だよ!!。
もうちょっと入ってるかもって重さの時には、もう入ってないよ!!。
ストローの口がこっち向いてる、何だよ!!。
「筒恐怖症」とかいうのはないから、何ともいじれないよ!!。
いやーいじった。
でも、いつもそばに「グリコ カフェオーレ」
(フォローしといた)

赤い目の先見

最近、国際的に暗い話が多いですな。
どこぞの国の偉い人がたくさん集まって話し合っても、なかなかうまい具合にはいかないみたいだしね。
そんなの。
そんなのは、あーして、こーしてあげれば、ほら。
うまいこといって、みんなでスクラム組んでるような写真が撮れるんだけどなぁ。
そして、ここをクリクリってやれば、ほら。
めぐりめぐって、もみじ狩りに行っちゃうんだけどなぁ。
最後に、クリクリってしたのを日向に置いといてあげれば、ほら。
最終的には、ひとつの目薬を使い合う仲になれるんだけどなぁ。
あぁ、だめだ。
日向に置いちゃったら、要人達内に目の病気が蔓延しちゃうや。
しょうがない。
?「じゃあ皆さん。ちょっと妥協しましたが気分転換として、もみじ狩りでもどうですか?。」
?「モ、モミジガリィ?」

不可視の森その3

前のつづきなので、そちらから。
早朝、研究所の一室を改造した被験者室から出てきた私を、待っていたとばかりに所長が笑顔で迎えた。
「結果が出たよ。君は帰っていいよ。」
どういうことですか?。
「君は天涯孤独じゃない。今は鎖が一本、ジャラジャラいっているよ。」
・・・そうですか・・・。
・・・2つ、聞いていいですか?
実験というのは?。
「昨日の朝刊、ネットを使って、君がやっている慈善事業を特集した。それだけだ。」
そうですか・・・。
で、僕の鎖の先は?。
「それは個人的な話になるだろう?。わからないよ。」
「で、だ。この調査の御礼として、これを受け取ってほしい。」
そう言われて受け取ったのは小さな箱だった。
振ると、かたかた音がする。
これは?。
「今、君が一番ほしいだろうものだ。」
・・・。
「大丈夫、副作用はない。たぶん。」
研究所を去るとき、所長が駐車場まで見送りに来てくれた。
どうもありがとう。
「いや、こちらこそ。いい研究ができた。」
さて、僕はこれから、そっと鎖をたどらなくては。
「所長。所長が今朝出された調査報告書と、彼の「鎖」の数が合いませんけど?・・・。」
?「わかってる。」

不可視の森その2

前のつづきなので、そちらから。
男「???」
?「空、飛べる?」
男「何言っているんですか。そんなことできないでしょ。」
?「隠してない?」
男「おちょくってるんですか?。」
?「・・・今から3ヶ月ほど前に当研究所である薬が開発されたのだ。」
?「何かとの関係を「見る」ことのできる薬だ。」
男「???」
?「この薬を服用すると、例えば赤ん坊とそのお母さんが「鎖」のようなものでつながっているのが確認できるのだ。」
男「まさか!!。」
?「嘘ではない。血のつながり、赤い糸、絆、カレシの束縛。こういった象徴的な関係が可視化される薬なのだ。」
男「動物などでは?」
?「残念ながら人間でのみ、可視化できている。」
男「すごいですね。・・・それじゃ、僕が天涯孤独かどうかも、聞かなくても分かるじゃないですか。」
?「そう。実は、既に私は薬を服用している。そして、君には一本の鎖も見えないのだ。」
男「そうですか・・・。で、私がここにいる理由は?。」
?「その、見える「鎖」というものを特殊な機材で検査したら、ある程度の物性を持つらしいことがわかったのだ。」
男「と、いうと?。」
?「本物の鎖の性質を少なからず持つということだ。この薬を飲んでいると、いかに人間というものが多くのリレーションを持つ生物か、というのを実感させてくれる。」
?「もし、この鎖がひとつでもない場合、その人はどう違うのかを調べたいんだ。人間関係という呪縛。言いすぎかな?。それがないと、どうなるのか・・・。最初の質問は少し跳躍しすぎかもしれないがね。」
男「・・・で、調べるというと?。」
?「・・・。もう、実験は9割がた終わったよ。明日には結果が出る。」
ガキの使いとか見たいんで、明日というか、次に続く。

不可視の森その1

「所長、天涯孤独な人を発見しました。」
?「ここに。」
男「何か、御用ですか?。」
?「君は天涯孤独だそうだが、本当かね?。」
男「まぁ、そうみたいです。家族は死にましたし、親類と呼べるような者は一人もいません。もちろん、友人もありません。」
?「まずそのような立場の人間はいないと思うのだが?。血のつながりなどなくても、何かしら人間関係はあるだろう?。」
男「いえ、ないんですよ。お金は遺産がありますし、家にも誰もいない。買い物で人と接触があるといっても、知らない人ばかりですから。」
?「例えば、私との関係などはどうかね?。」
男「いやー。ここを出ちゃえば、もう一生会わないだろうことは想像に難くないですよ。」
?「本当にかね?。今、友達になって、と頼んでも?。」
男「お断りします。友達なんて、面倒くさいですし。」
?「うん。天涯孤独なんて、推理小説にしか存在しないと思っていたが。本当のようだ。」
?「では、本題。」
?「君、空は飛べるかね?。」
年末なので明日に続く。

線路沿いドリフター

新宿のハンズに用があって、新宿駅で降りたはずなのに。
今、なぜか上海。
じゃなくて代々木駅だ。
知らない間に一駅分歩いてしまったようだ。
たぶん、その日は大陸棚に変化あった。
まぁ、いい。
ハンズは新宿と代々木の間くらいにあるから。
線路沿いを漂流していると、喫茶店が。
・・・なぜ・・・。
なぜカプチーノにシナモンを入れるんだ・・・。
シナモンが苦手な僕は、その部分だけを先に食べ、むせることに。
店内の人は、
・「あいつコーヒーでむせてるよ」
・「あいつ、コーヒーで酔うんじゃない?」
・何も気にしていない
のどれかだっただろう。
ハンズが工事中で、いろんなことが分からなくなったのでゲーセンに立ちよる。
・・・なぜ・・・。
なぜキミのベガ(格闘ゲームのキャラクタ。帝都大戦の趣)は、画面端でずっとしゃがんでいるんだ・・・。
そんなにこちらのジャンプを期待されたら・・・。
期待に答えちゃうじゃないか!!。
完敗だったのでルノアールのケーキを猛食いし、心を鎮めた。

志村のこと、ずっと忘れない!!

ぼくはただ、友達とキャッチボールをしていただけなんです。
たまたま、ぼくの投げたボールが少しそれて、歩道の方に飛んでいっただけなんです。
そこにはおばちゃんが歩いていたんですが、ボールには気付いていません。
こんな日常にありそうなシーンなのに、ぼくはその瞬間、迷いました。
今おばちゃんに「あぶない!!」と声をかけると、おそらく彼女は振り向いてしまいます。
そうしてしまうと、顔にボールが命中してしまいます。
でも、声をかけなくても頭に当たってしまいます。
声をかけるべきか、かけないべきか・・・。
ぼくは迷ったんです。
というとき、あなたならどうするだろうか?。
語り部Aさんの場合、「しゃがんで!!」と叫んだが、おばちゃんは振り向いてしまいました。
結果、ボールは顔に命中、全治2日の怪我を負わせてしまいました。
そしてその6ヵ月後に挙式。
今では二児のお父さんです。
誰でも子供の頃、こんな感じの経験があるのではないでしょうか?。
映画とかでもありますね。
「志村、うしろ?!!」状態。
あの時、ぼく達は志村けんに、背後に幽霊がいることを伝えるべきなのでしょうか?。
黙っておいてあげたなら、志村けんはたとえひとときでも幽霊のことを気にせず済むのかもしれないのです。
でも、結局はコント的に幽霊とはちあわせしてしまうわけですから、ぼくとしては何か、志村けんの心に残る言葉をかけてあげるのがいいと思います。
みなさんも今回のようなシーンに出くわしたときは、選択項目として考えてみてください。
それにしてもあの時、ぼく達は何故志村けんを呼び捨てにしていたのでしょうか?。
最善策と謎は暗闇の中。

気功弾頭

最近、「ミッションインポッシブル3」のレンタルが開始されました。
個人的な意見ではありますが、確か「1」は「すごいなぁ。」で、「2」が「鳩がすごいなぁ。」という感じ。
実は、映画公開の時からみようと思っていた映画でした。
なぜかというと、CMか何かで流れた映像で気になったものがあったから。
そのシーンはトムさんがこちらに向かって走ってくるシーン。橋の上です。
なぜ走ってくるかというと、後方の車がミサイルによって爆破されてしまうから。
そこから逃げるために走っているわけです。
しかし、まだ逃げ切れていない距離でミサイルが車に命中。
トムさんは爆風に吹っ飛ばされてしまいます。
ここで、後方で爆発があったにもかかわらず、なぜかトムさんは横に吹っ飛び、そこにある車にしたたか打ち付けられるのです。
なに!?。
後ろで爆発だから、手前に吹き飛ばされそうなのになぁ・・・。
でも、何かよく分からない力が、こういうときには働くのかも!!。
何かが、何かがリアル志向なんだな!!。
と、いうことで借りて見ました。
だいぶ吹っ飛んでました。