はなきんの儀

夕食を済ませ、その片付けに来たおばはんから周辺のことを聞きだす。
ほう、近くの神社で何か行事があるらしい。
カメラを持って行くことにした。
その行事は「月」への感謝だか何だかをするらしい。
その日はバッチリ曇りで、感謝の対象は今のところ拝めない。
別に屋台などが出ているわけではないので、境内をうろつく。
すると、にわかに中庭が騒がしくなってきた。
はかま姿のおじさんが闇からぞろぞろ現れて、「いかにも」って感じの楽器を奏ではじめた。
そして、月への感謝を、立ったり座ったり、団子を供えたり舞したりで表現した。
要するに、僕はちゃんと見てなかった。
夜の神社と言うだけで十分楽しかったんである。
しかし、儀式も佳境というところで雲がさっと流れ、満月が煌々と夜空に輝いたとき、正直こいつらやるな、と思った。
夜の神社で満月。
知り合い全員にメールを飛ばしたい心境である。
それにしても、来た日がちょうどその行事にあたっていてよかった。
ついてるなぁ。
行事も終わり、儀式に使ったすすきを持って帰るとご利益があるとかいう放送が流れはじめたのでそこを後にする。
ふと、神社を出たところにある看板に目が行った。
「○○の儀、本日開催。」
そしてその隣には
「××の儀、何月何日予定。」
一週間後である。
宿で聞いてみると、集客のためか、かなり頻繁に行事があるらしい。
そういえば、看板には「第二回 ○○の儀」とあった。
に、二回目かぁ・・・。

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